母の心に寄り添う母子支援を
妊娠したら手にする母子手帳。最寄りの保健所でもらって、妊娠の実感がわいたという人も少なくないでしょう。でも人によってはその一見、親切に思われる情報提供が、重荷になることを、提供側の保健師や医療・保育・自治体関係者がどれだけ想像できているでしょうか。
我が家の長男も、体重がなかなか増えなくて、小児科医から「このままいけば脳の発達に影響が…」と脅されたことがありました。目の前で初めての子を抱える母親初心者としては、良かれと思ってかけてくれただろう医師の発言であっても、「これが当事者の立場を本当に理解して発している言葉なのだろうか?」ととても腹立たしく、当時の感情は、今でも記憶として強く残っています。
育児に慣れない母親にとって、他人と比べて不安を煽る情報は全く適切ではありません。
母親初心者に伝えるべきは「数字にとらわれず、目の前の子をよく観察しよう」「最優先は、家事よりも母子の健やかな暮らし。家のことができなくても、母子が元気なら良し!」「完璧をめざさず、ゆったり構えて、毎日を楽しもう」「育児は1人でやるものじゃない。どんどん他人を頼っていいよ」――と、母親が安心して過ごせるようなメッセージです。その母親支援が、ひいては、子どもの健やかな日々にもつながります。 母子支援に携わる医療・保育・自治体関係者には、そのことをよーく理解して、専門家の一律的な知識の押しつけではなく、母親の心に寄り添う支援を心がけてほしいです。
どんな子にも寄り添う「母子手帳」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASKB06TP7KB0UBQU00W.html
0コメント