たったひとりのわたしだから
命の価値に重いも軽いもありません。私たちはつい目の前のことにとらわれがちだけれど、子どもの誕生には「無事に生まれて良かった」と安堵し、命の存在に心から感謝した時があったはずです。それが、あれもやってほしい、これもできて当たり前・・・とついつい欲張りになってしまっていないでしょうか。
朝日新聞「命の詩 私の心 私の声 脳性まひの22歳が詩集」http://www.asahi.com/articles/DA3S13059382.html
手足がほとんど動かず、言葉も話せず、筆談でコミュニケーションを取る、寝たきりの堀江菜穂子さん。詩集「いきていてこそ」を6月に出版されたそうです。谷川俊太郎さんの「菜穂子さんが書いたものは、詩なのに詩を超えて、生と言葉の深い結びつきに迫っている」との感想にもぐっとくるし、<せかいのなかで>も孤独の寂しさやそこに抗う強さ、透明感や瑞々しさ、いろんな思いが響き、何度でも繰り返し読み込んでみたくなる魅力があります。
<せかいのなかで>
このひろいせかいのなかで
わたしはたったひとり
たくさんの人のなかで
わたしとおなじ人げんは
ひとりもいない
わたしはわたしだけ
それがどんなに ふじゆうだとしても
わたしのかわりは だれもいないのだから
わたしはわたしのじんせいを
どうどうといきる
子どもたちにも感想を聞いてみたいです。
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